3-③. 溶け出しやすい(イオン化しやすい)金属かどうか

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この記事のまとめ

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・金属にはそれぞれ溶け出しやすさの目安(イオン化傾向)がある

・金や銀、プラチナなどの貴金属は溶け出しにくい傾向がある

・ジュエリーの金属は主に汗で溶け出して体内に吸収される

・ニッケルが金属アレルギーの原因になりやすいのは溶け出しやすいのも原因のひとつ

・金やプラチナが原因になりにくいのは溶け出しにくいから

・ピアスは常時体液にさらされるため、溶出しやすく金属を吸収しやすい

・2つ以上の金属を混ぜ合わせ、合金化するとさらに溶け出しやすくなる

 

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3.アクセサリーを選ぶ際の5つの大切なポイント

 

③溶け出しやすい(イオン化しやすい)金属かどうか

 

金属には溶出のしやすさ=体内への侵入のしやすさがあります。

 

こちらは金属のイオン化傾向と呼ばれる、金属の溶出のしやすさを表したものです。ジュエリーに多用される金、プラチナ、銀はイオン化傾向が小さく、簡単には溶出しません。一方、ニッケルはジュエリーに使用される金属の中ではイオン化傾向が比較的大きいため、溶け出しやすい傾向があります。

 

3-②.統計的に影響がでやすい金属かどうかでもお伝えしましたが、

 

ニッケルは溶け出しやすく体内に侵入しやすいこと、

さらに侵入してからも影響が出やすいという特徴があります。

 

ニッケルが金属アレルギーの代名詞のような扱いになっているのは、このためです。

金とプラチナはイオン化傾向が小さいため溶け出しにくく、体内に侵入しづらいという特徴があります。侵入してからの影響は比較的出やすいものの、そもそも体内に入りづらいため症状が出にくいということがわかります。

 

一方、銀はイオン化傾向が小さく溶け出しにくい、

さらに体内に侵入した場合も影響が少ないという特徴があります。

 

これら2つの理由から、金属アレルギーパッチテストでも「金属アレルギーを発症しにくい」というデータが出ています。このような性質が、MISTY COLLECTIONが銀に着目し、開発を進めようとした理由の一つでもあります。

 

 

イオン化傾向(溶出のしやすさ)とともに注意しなければならないのが、ジュエリーを使用するシチュエーションです。汗は金属を溶け出しやすくします。そのため、汗をかきやすい夏場や浴場などは、金属アレルギー症状が起きやすい傾向があります。

 

また、ピアス製品は体内にピアスポスト部分を挿入するため、体液などに常時さらされます。そのため、金属の溶出量が増えたものを直接吸収してしまいます。ピアスが他の部位に比べて金属アレルギー症状がでやすいのはこのためです。詳しくは3-④.どこの部位に装着したかでも解説しています。

 

溶出について、高硬度ピュアシルバー999の溶出検査を第三者機関で行ったところ、このような結果になりました。

この検査は1円玉サイズの試料を、高硬度ピュアシルバー999製品と一般的なSV925製品の溶出量を比較検査し、肌への影響を調べたものです。

 

「規格」欄の①〜③は

 

①高硬度ピュアシルバー999製品

②高硬度ピュアシルバー999製品(K24プレーティング)

③一般的なSV925製品

 

を想定したものです。

 

「試料溶液」の「0.9%塩化ナトリウム水溶液」とは、体液に近い液体です。それを人体の体温と同じ37℃に設定し7日間浸した結果、どの程度金属が溶出したかを検査しました。

 

その結果、SV925に比べ、純銀(SV999)は銀の溶出量が3分の1程度でした。

これは純銀の方がSV925よりも銀が原因の金属アレルギーが起こりにくい

ということになります。

 

さらに、金が原因の金属アレルギーの可能性も考慮し、K24(純金)プレーティングを施したものも溶出検査したところ、金の溶出量は検出限界以下でした。

MISTY COLLECTIONで販売している高硬度ピュアシルバー999のゴールドカラー商品はK24プレーティングを施しています。

これらのことから、高硬度ピュアシルバー999の製品はシルバーカラー、ゴールドカラーともに肌への影響は少ないと考えられます。

 

ただし、使用し続けることでプレーティングは徐々に薄くなります。その場合は金の溶出のしやすさなどに変化がある可能性がありますので、ご懸念をお持ちの方は銀のみで製作したシルバーカラーの商品をお試しいただくことをおすすめいたします。

 

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